【書評】LIFE SHIFT(ライフ・シフト) を読んだ感想

「LIFE SHIFT」というベストセラー本を読みました。

人生100年の時代、これからは一つの仕事で終わらず複数のキャリアを渡り歩き、お金などの目に見える資産だけでなく、友人や家族などの人間関係、健康といった見えない資産にも着目し、それらの資産をどのように構築していくのかについて、非常に興味深い内容でした。

 

100年生きる上で重要な「3つの資産」

本書では、長寿化により100年近い人生を生きる可能性が高い時代のなかで、有形と無形のそれぞれの資産をバランスよく蓄積していくことが、充実した100年を過ごす重要な要素であるといいます。

有形の資産とはお金や株式といったもので、無形の資産とは、身体的・精神的に健康であることや、友人・家族との良好な人間関係、本や勉強から得られる知識といったものです。

このなかでも、特に無形の資産を蓄積していくことが、100年を生きる上では重要で、知識や人間関係が豊かになると、それがひいてはお金などの有形資産の形成にも役立ち、相乗効果が狙えます。

本書では、この無形資産を「生産性資産」、「活力資産」、「変身資産」の3種類に分類しています。

生産性資産とは、仕事などを通じて培ってきたスキルや知識です。所得やキャリア形成に役立つ資産で、この資産の蓄積のためには、簡単に他人が真似できない知識を身につけることと、良い仲間や評判を得ることといいます。

活力資産とは、幸福感をもたらし、やる気をかきたてるような資産をいいます。具体的には、健康であることや家族や友人との良好な人間関係です。そのためには、ストレスをうまく管理し、仕事と家庭のバランスをうまく取ることが求められます。

変身資産とは、新しい人生のステージへと移行するための意思と能力のことをいいます。転職や起業など、新しいステージに移行するための勇気や不確実性へ対処する能力です。この資産の獲得には、①自分についてよく知っていること、②多様性に富んだ人的ネットワークを持っていること、③新しい経験に対して開かれた姿勢を持っていることが必要です。

これら3つの無形資産を構築していかなければ、100年という人生を充実したものにすることは難しくなっていきます。

「LIFE SHIFT」を読んでいると、人生のステージに応じて自らを「変化」させなければならないということに気付かされます。

過去に得た知識や経験だけでは100年という人生で起きるリスクに対応できません。

本書ではその変化のために必要な要素を「変身資産」として定義していますが、「変化」するというのは勇気のいることです。

転職や起業をしたいと思っても、実行に移すのはハードルが高いでしょう。

変化することの勇気

「ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代」という本のなかでは、起業をして成功している人は、会社を辞めて起業に専念するというようなリスクをとっている人ばかりではなく、慎重な行動をとっている人が多いというデータを示しています。

たいていの人は、リスク・テイカーのほうが明らかに有利だと予測するだろう。だが研究の結果はその逆だった。本業を続けた起業家は、やめた起業家よりも失敗の確率が33%も低かったのだ。
リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に疑問をもっている人が起こした会社のほうが、存続する可能性が高い。そして、大胆なギャンブラーが起こした会社のほうがずっともろいのである。

転職などで新しいステージに進もうとする場合、そのような行動ができる人は「リスクをおそれない人」が起こす行動のように思われます。

ですが実際には、リスクをとろうとする人はその一方でリスクを軽減するための慎重な行動もとっているということのようです。

起業を目指していきなり会社を辞めるのではなく、会社に勤めて収入を一定保ちながらビジネスのアイデアを考える、資格をとっておいて手に職をつけておく、というように、最悪の事態に備えたセーフティネットを自分で確保しておくことで、リスクを取る行動もとることができるのです。

変化に必要なのは、勇気ではなく、「最悪の事態が起きても死なないための基盤を持つこと」なのかもしれません。

「コップは上に向いているか?」

先日とあるワークショップに参加したとき、参加者の一人から「コップは上に向いているかを自分に問いかける」という話をされていました。

コップが下を向いていると、どれだけ上から水が注がれてもコップに水はたまりません。

コップを上に向け、インプットされたものを受け止めて自身の中に蓄積できているかを自分に問いかけることが重要ということです。

100年という人生を生きるためには、興味にフタをせず、新しいことを受け入れて変化する覚悟を持っていきたいです。


【編集後記】

2/22(金)は引き続き12月決算のお客様の決算作業。

2/21(木)の夜には社長などが集まる異業種交流会に参加してきました。こういう場に行くと、意識が高まります。